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ピクトグラムでわかる呼吸器内科

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サルコイドーシス

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無症状の粒状影,両側肺門リンパ節腫大を見たらサルコイドーシスを疑う.
眼科・循環器科・皮膚科などと連携しながら全身検索を行う.重症度によっては医療給付の対象となるので特定疾患の申請を行う.

特殊なサルコイドーシスには別名がある
Heerfordt症候群:ぶどう膜炎、耳下腺腫脹、顔面神経麻痺、微熱
Lofgren症候群:結節性紅斑、関節炎、BHLを認めるサルコイドーシス


(著作権の関係で図はサルコイドーシスの診断基準と診断の手引き. 2006. http://www.jssog.com/papers/2006-15.pdf を参照)


1. 組織診断群
一臓器に組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認め,かつ,以下の1)~3)のいずれかの所見がみられる場合を組織診断群とする.
1) 他の臓器に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認める.
2) 他の臓器で「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」(診断の手引き参照)がある.
3) 全身反応を示す検査所見の6項目中2項目以上を認める.
1) 両側肺門リンパ節腫脹
2) 血清ACE活性高値
3) ツベルクリン反応陰性
4) Gaシンチで著明な集積所見
5) BALFでリンパ球増加またはCD4/CD8比高値
6) 血清あるいは尿中カルシウム高値
2.臨床診断群
組織学的に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫は証明されていないが,2つ以上の臓器において「サルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見」(診断の手引き参照)に相当する所見があり,かつ,「全身反応を示す検査所見」の6項目中2項目以上を認めた場合を臨床診断群とする.

呼吸器系病変を強く示唆する臨床所見
1)両側肺門リンパ節腫脹(BHL: bilateral hilar lymphadenopathy)を認める場合.
2)両側肺門リンパ節腫脹(BHL)は認めないが,表2のいずれかの肺病変所見を認める場合

胸部X線上の病期分類
他の疾患と異なり,Stageが上がるほど病気が進むわけではない
Stage 0 正常
Stage 1 BHL
Stage 2 BHL+肺陰影
Stage 3 肺陰影のみ
Stage 4 肺線維化

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サルコイドーシスの治療
ステロイド全身投与の適応は,心病変,神経病変,局所治療抵抗性の眼病変,高Ca血症,広範な肺病変で自覚症状や呼吸機能低下がある場合.診断基準を満たさない場合や,軽症例は経過観察.
PSL 0.5~1 mg/kg/dayを1ヶ月継続し,5~10 mg/4~8週ずつ漸減.再発が40%.MTXを併用することもある.

サルコイド反応(sarcoid reaction)
癌周囲や,その癌の所属リンパ節に非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を形成する反応.様々な癌で起こりうる.


by respiresi | 2015-04-21 22:37 | びまん性肺疾患