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化学療法

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殺細胞薬

プラチナ製剤

CDDP

CBDCA

骨髄抑制などの副作用が多い

使ってみるまで効くかどうか分からない

プラチナ製剤以外

CPT-11, VNR, VP-16, PEM, TS-1, UFT, PTX, DTX, AMR

分子標的治療薬

EGFR-TKIEML4-ALK阻害薬,抗VEGF抗体

骨髄抑制などの副作用が少ない.遺伝子解析で効きやすいか予測できることも



プラチナ製剤
DNAに結合してDNA複製を阻害して抗癌作用を示す.
シスプラチン(CDDP:cisplatin)
腎障害予防のため前日~数日後まで大量補液と,ラシックス・マンニトールによる利尿が必要.腎障害(容量依存),嘔気・嘔吐,好中球減少,脱毛,末梢神経障害など.小細胞癌と非小細胞癌では投与量が違う.
カルボプラチン(CBDCA:carbplatin)
シスプラチンとほぼ同等の成績で,嘔気や腎毒性が軽微.大量輸液がいらないので外来化学療法に向く.血小板減少.脱毛,末梢神経障害など


プラチナ製剤以外の殺細胞薬
微小管阻害薬
細胞分裂時に染色体を2つに分ける微小管を阻害して抗癌作用を示す.
ナベルビン(VNR:vinorelbine)
ビンアルカロイド系.好中球減少,血管炎,末梢神経障害,嘔気,便秘など.
パクリタキセル(PTX:paclitaxel)
タキサン系.好中球減少,末梢神経障害(容量依存),関節痛,筋肉痛,嘔気,過敏反応,便秘,脱毛,口内炎など.末梢神経障害予防に牛車腎気丸,メチコバール,COX-2阻害薬,芍薬甘草湯.過敏反応の予防のため,デカドロン,抗ヒスタミン薬,H2ブロッカーを前投与し,点滴開始後1時間はモニターをつけ過敏反応に注意する.アルコール含有.
アブラキサン(NabPTX:Nab-paclitaxel)
アルブミン付加によりパクリタキセルよりも急性過敏性反応が少ない.骨髄抑制,末梢神経障害,黄斑浮腫など.輸血同意書は必要.
タキソテール(DTX:docetaxel)
好中球減少,過敏反応,心嚢液貯留,嘔気,浮腫(容量依存),脱毛,神経障害,口内炎など.アルコール含有.
代謝拮抗薬
DNAの材料の葉酸・ピリミジン・プリンに類似しておりDNA合成を妨げて抗癌作用を示す.
アリムタ(PEM:pemetrexed)
葉酸系.非小細胞癌・非扁平上皮癌に使う.嘔吐,好中球減少症,白血球減少症,貧血,肝障害,口内炎・咽頭炎,血小板減少症,便秘など.投与1週間前にVitB 12(メチコバール)を1000 μg筋注,以降9週(3コース)毎に筋注.投与1週間前から葉酸0.5 mg/day(パンビタン1g)を開始し投与後22日まで投与.NSAIDsと併用注意なのでアセトアミノフェンへの変更を検討する.
1週前にビタミンというのは,臨床試験でのプロトコールでの設定で,4日前でも変わらない報告がある.(Lung cancer 2013; 81: 231-5).

ティーエスワン(TS-1:tegafur gimeracil oteracil)
ピリミジン系.骨髄抑制,嘔気,下痢,口内炎,色素沈着.
ジェムザール(GEM:gemcitabine)
ピリミジン系.好中球減少,血小板減少,間質性肺炎.
テガフール・ウラシル(UFT)
ピリミジン系.術後補助化学療法として1~2年間内服で用いられる.肝障害,口内炎,食欲不振,色素沈着,骨髄抑制など.

トポイソメラーゼ阻害薬
DNA合成酵素トポイソメラーゼを阻害して抗癌作用を示す.
トポテシン(CPT-11:irinotecan)
トポイソメラーゼⅠ阻害薬.白血球減少,下痢,嘔気,脱毛など.WBC 2000以下,Plt 10万以下では投与中止.
早発型下痢は投与直後に起こり,一過性であり抗コリン剤で対処する.遅発型下痢は投与後1~2週で起こり,腸管粘膜障害により重篤化しやすい.下痢対策として,ビオスリーではなく,腸内のアルカリ化のため炭酸水素ナトリウム 2g/3×N, ウルソ(100) 6T/3×Nと,便秘予防のマグミット(330) 3T/3×NをCPT-11投与日より4日間投与する.対症療法としてロペミンを使う.
UGT1A1遺伝子多型
肝臓で代謝産物のSN-38をグルクロン酸抱合するための酵素(UGT)に個人差があり,副作用の差となって現れる.

Grade3以上の好中球減少

Grade3の下痢

UGT1A1*6UGT1A1*28を持たない

14.3

14.3

UGT1A1*6またはUGT1A1*28をヘテロで持つ

24.1

6.9

UGT1A1*6またはUGT1A1*28をホモで持つ,

もしくはUGT1A1*6UGT1A1*28をヘテロで持つ

80.0

20.0


(トポテシン添付文書より引用)

ハイカムチン(nogitecan,topotecan)
トポイソメラーゼⅠ阻害薬.骨髄抑制,嘔気,脱毛.
ラステット(VP-16:etoposide)
トポイソメラーゼⅡ阻害薬.好中球減少,嘔気,脱毛,肝障害,口内炎など.
カルセド(AMR:amurubicin)
トポイソメラーゼⅡ阻害薬.汎血球減少,間質性肺炎,嘔気,脱毛.


分子標的治療薬
抗VEGF(血管内皮増殖因子)モノクローナル抗体
アバスチン(Bev:Bevacizumab)

リスク因子(扁平上皮癌や空洞を有する,大血管への浸潤や隣接,その他喀血・コントロール不能な高血圧,重篤な大血管病変や消化管における活動性出血の既往)のないNSCLCではプラチナ製剤併用化学療法に追加することを検討する.インフュージョンリアクションを防ぐため初回は90分かけて投与し,2回目以降は60分で,3回目以降は30分で投与.本剤の投与終了後に手術を行う場合は、十分な期間をおく必要あり.半減期は3週間程度.

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)
イレッサ(gefitinib)

腺癌,女性,非喫煙者,東洋人で有効.EGFR遺伝子変異陽性例(T790Mなど耐性遺伝子を除く)で適応があり奏功率が高い.重篤な肺障害が5%で出現するため,投与後1ヶ月は入院またはそれに準じて加療する.発疹,下痢,皮膚乾燥,肝障害など.クラリス,シプロキサン,PPI,H2ブロッカーは併用注意.
タルセバ(erlotinib:ERL)
イレッサよりも高容量.クラリス,シプロキサン,PPI,H2ブロッカーは血中濃度変動あり併用注意.
ジオトリフ(Afatinib)
発疹,下痢,口内炎・粘膜炎,爪周囲炎,鼻出血,掻痒感などで他のEGFR-TKIに比べ有害事象が出やすい.Grade4の間質性肺障害は1/242(Lancet Oncol. 2014;15:213-22.)

EML4-ALK阻害薬
EML4とALK(未分化リンパ腫キナーゼ)の癌性融合遺伝子陽性は,若年発症の肺腺癌,非喫煙者,粘液産生を伴い腺房状構造を示す低分化腺癌,BACパターンが見られない,EGFRおよびKRAS変異陽性例にはみられないのが特徴.
ザーコリ(crizotinib)
1日2回の経口投与.悪心,視覚障害,間質性肺炎,下痢,便秘,浮腫に注意.
アレセンサ(alectinib)
1日2回の経口投与.肝障害,腎障害,味覚障害,間質性肺炎,発疹,便秘,白血球減少に注意.


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by respiresi | 2015-04-30 21:43 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)
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