ピクトグラムでわかる呼吸器内科

respiresi.exblog.jp ブログトップ | ログイン

医療過誤と医療事故の具体例

    • 不可抗力のせん妄で怪我をした場合,通常の注意義務を果たしていれば,不可抗力として責任は問われない.

    • モニターアラームに気がつかずに対処が遅れた場合、責任を問われうる.特に問題のないアラームに紛れて重症のアラームが鳴っている際に注意.モニターアラームを切っていた場合も同様.

    • 採血時に手技上問題がないが神経損傷を起こした場合は,不可抗力であり医療過誤ではない.ただし判例は様々で,採血時の異常は採血の仕方,スムーズに採血ができたか,穿刺部位など具体的な記録を残すことが勧められる.

    • 抗癌剤点滴の血管外漏出の場合,リスクを説明していても漏出の発見が遅れていれば医療過誤ありとされうる.

    • 誤嚥事故では,摂取させた食物が適切か,摂取時の看護が適切か,誤嚥後の対応が適切かが問題となる.いずれも適切であれば誤嚥事故でも過失とはならない.ただし,誤嚥事故で摂取時は5分ごとの見守りでも不十分とする判例もある.

    • 病院は診療契約に基づき,入院患者を適切に管理する義務を負うっため,転倒・転落事故は管理責任を問われることがある(民法).ただし,ベッドからの転落が,危険度を評価し適切な対応を行っていても起きてしまった場合は,過失なしという判例がある.

    • 入院患者の身体を抑制することは、その患者の受傷を防止するなどのために必要やむを得ないと認められる事情がある場合にのみ許容されるべきもの(最高裁).

    • 入院患者が自殺しても,自殺が具体的に予見できなければ,過失とはならない.

    • 入院患者が,入院中や外出中に他の患者に危害を加えても,明らかに予見でき予防策がある場合でなければ,医療者は責任を負わない.

    • 褥瘡は,適切な予防処置がとられていたかどうかで注意義務違反かどうかが判断される.

    • 院内でMRSA感染症が起きるだけでは過失はないが,培養検査などが遅れて重症化した場合や,褥瘡部位の感染が明らかなのに治療しなかった場合,感染予防が不十分な場合は過失とされた判例がある.

    • 健診で肺癌を見落とされ,その後1年遅れで手術した場合,癌の再発がなくても5年生存率が落ちた精神的苦痛として慰謝料の判例がある.

    • 呼吸器内科に通院中に進行胃癌が見つかり,胃部不快感があったのに早期発見できなかったと訴えられた裁判があるが,医師が内視鏡を勧めていたが本人が希望しなかった,腫瘍マーカーを測定していたなどの理由から過失なしの判例がある.

    • エタンブトールによる視力障害の発見が遅れて失明した事件や,難聴患者にストレプトマイシンを使い完全に聴力を失った事件で,病院側敗訴になった事例がある.

    • 好酸球増多が出たのに抗菌薬の薬剤性肺炎に気づくのが遅れた症例で,医師の過失ありの判例がある.

    • 担癌で予後612ヶ月の患者が,カンジダによるカテ感染から敗血症となり死亡した場合,カテ抜去が遅れたため通常の癌死よりも死期を早めたとして短くなったとして慰謝料1200万の判決がある.

    • 抗癌剤の過量投与により執行猶予月の刑事責任の判決例がある.担当医のみならず指導医も責任を問われた.

    • 内視鏡時のキシロカインによるアナフィラキシーショックで,バイタルサインの推移や処置の時刻の記録がないこと,救急カートが内視鏡室になかったことを過失とされた判例がある.

    • 人工呼吸管理中に痰詰まりによる急変で,血ガス,呼吸状態の記録,吸引が不十分で過失とされた判例がある.



by respiresi | 2015-08-24 23:33 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード