ピクトグラムでわかる呼吸器内科

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カテゴリ:睡眠障害( 4 )

睡眠時無呼吸症候群の治療

1) OSAS
・生活習慣の改善(食事・運動療法)
・器質的な疾患がある場合はその治療
・鼻マスク式持続陽圧呼吸(NCPAP:nasal continuous positive airway pressure)
中等症以上で最も標準的な治療法.保険適応は
① PSGでAHI≧20,EDSなどの症状がある場合
② 簡易検査でAHI≧40,自覚症状がある場合

半年ごとにNCPAPなしでのパルスオキシメトリーをして,NCPAP中止できるか確認するようにして患者さんに目標を持ってもらうようにしている.

CPAPタイトレーション
圧が低いと治療効果が出ず,圧が高いと不快感があるため最適圧を調節する.医療者が付き添って設定値を変えるマニュアルタイトレーションと,CPAP機器による自動調節のautoCPAPがある.どちらも同等とする報告が多い(Sleep Breath : 16; 1017-26, 2012).

口腔内装置(OA:oral appliance),スリープスプリント
軽症~中等症で,NCPAPが難しい場合に検討して良い.NCPAPほどの治療効果はないが,治療効果は50%程度.

耳鼻科的手術
高度扁桃肥大,高度鼻閉などによるOSASは耳鼻科的手術を検討する.非肥満・軽症~中等症でNCPAPやOAを希望されない場合には口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP:uvulopalatopharyngoplasty)を検討して良い.治療効果はⅡ~Ⅲ度で50%程度.

2) 体位性睡眠時無呼吸
まず背枕,腰枕

3) MSAS
まずCPAPで,改善なければASV,NPPV.
数ヶ月CPAPを続けると中枢性無呼吸も消失することがある.

4) CSAS(慢性心不全例)
心不全治療,HOT,CPAP,NPPV,ASV.
CPAP・NPPVよりもASVの優位性が示されている.


by respiresi | 2015-04-26 23:48 | 睡眠障害 | Comments(0)

PSG(polysomnography)

STEP 1.  睡眠状態は良好か?

睡眠状態モニター
脳波(EEG):C3-A2,C4-A1,O1-A2,O2-A1
眼球運動(EOG):ROC,LOC
顎筋電図(EMG)

睡眠周期
覚醒(StageW)
→ nonREM睡眠(Stage1→Stage2→Stage3→Stage4)
→ REM睡眠(StageREM)

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正常値 Stage1:5% Stage2:50% Stage3・4: 20% StageREM:25%
Stage3,4が足りないと熟睡感が得られない.

睡眠潜時sleep latency
就寝から睡眠脳波が出るまでの時間.10分以下で眠気が強い.

REM睡眠潜時
就寝からREM睡眠までの時間.15分以下でナルコレプシーを疑う.

総睡眠時間(TST:total sleep time)
入眠から最終覚醒までの時間のうち,中途覚醒時を除いた時間.

睡眠効率
総就寝時間における総睡眠時間の割合.85%以上が正常.

覚醒反応指数Arousal index
脳波上での覚醒.覚醒回数(入眠後にStageWとなった回数)とは異なる.10~20が正常.AHIが低く覚醒反応指数が高い場合,UARSを疑う.

STEP 2.  呼吸状態は良好か?
呼吸状態モニター
SpO2:パルスオキシメーター
呼吸:口鼻サーミスタ(温度センサー)・鼻圧センサ
呼吸努力:胸腹部センサー
無呼吸・低呼吸指数(AHI:Apnea-hypopnea index)
軽症:5≦AHI<15 中等症:15≦AHI<30 重症:30<AHI
無呼吸Apnea:10秒以上の呼吸停止
低呼吸Hypopnea:10秒以上持続した50%以上の気流低下,もしくは3%以上のSpO2低下や脳波上の覚醒.

無呼吸のパターン
① 胸・腹が動いているのに気流停止 → 閉塞型

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② 胸・腹が止まっていて気流停止 → 中枢型
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③ 閉塞型の後に過呼吸,その後中枢型 → 混合型


by respiresi | 2015-04-26 23:45 | 睡眠障害 | Comments(0)

SASの診断

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診断
スクリーニングには1回2,000円程度と安価な睡眠時パルスオキシメトリー.
パルスオキシメトリーで3% ODI>5,や重症例は1回20,000円のPSGで精密検査を.

睡眠潜時反復測定法(MSLT:multiple sleep latency test)
客観的な眠気の評価を行う方法.日中に暗所に仰臥位で閉眼させ,睡眠潜時(睡眠脳波が出るまでの時間)を測定する.10分以下で眠気が強い.
当科ではMSLTは行なっていない


日本語版エプワース眠気尺度(JESS:Japanese version of the Epworth sleepness scale)
(著作権の関係で Takegami M, Suzukamo Y, Wakita T, Noguchi H, Chin K, Kadotani H, Inoue Y, Oka Y, Nakamura T, Green J, Johns MW, Fukuhara S. Development of a Japanese version of the Epworth Sleepiness Scale (JESS) based on Item Response Theory. Sleep medicine. 2009; 10: 556-65.  を参照)

睡眠時パルスオキシメトリー
パルスオキシメーターを装着したまま就寝して酸素飽和度低下指数(ODI:oxygen desaturation index)を測定する.自宅でも簡便に行えるが,軽症~中等症の感度は低い.
酸素飽和度低下指数(ODI:oxygen desaturation index)
1時間あたりSpO2がベースラインより3%以上低下した回数.PSGのAHIとやや相関するが,AHIより低めに出る.


by respiresi | 2015-04-26 22:21 | 睡眠障害 | Comments(0)

睡眠障害

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ガイドライン
睡眠呼吸障害研究会からのガイドラインがコンパクトにまとまっておりお勧め.


【まずコレ】

「問診票 睡眠時無呼吸症候群 日本語版エプワース眠気尺度」(当院カルテ 文書作成にあり), 睡眠時パルスオキシメトリー

【さらに精査するとき】

甲状腺機能低下,頭部MRI、ポリソムノグラフィ.


違和感のある睡眠障害を見たら,稀な病気かもしれない
笑うと力が抜ける ⇒ ナルコレプシー
足の深部の異常感覚,睡眠時の足の不随意運動 ⇒ むずむず脚症候群


何となくしんどい不定愁訴の患者さんの中には,結構SASが隠れている.

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS:obstructive sleep apnea syndrome)
EDS:excessive daytime sleepiness(日中の過剰な眠気),睡眠中の窒息感やあえぎ,繰り返す覚醒,起床時の爽快感欠如,日中の疲労感,集中力欠如のうち2つ以上を伴い,無呼吸・低呼吸指数(AHI:apnea hypopnea index) 5以上.PSGは呼吸努力があるも,上気道閉塞による無呼吸所見.

中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS:central sleep apnea syndrome)
Chene-stokes呼吸など.PSGで胸壁・腹壁の動きがない無呼吸所見.

混合型睡眠時無呼吸症候群(MSAS:mixed sleep apnea syndrome)
閉塞型無呼吸後の過呼吸により中枢型無呼吸が起こっているOSASの亜型.PSGで中枢型から閉塞型へ移行する無呼吸所見.

肥満低換気症候群(OHS:obesity sleep apnea syndrome)
重症OSASの亜型.以下のすべてを満たす
1) 高度肥満(BMI 30以上)
2) 日中の高度の傾眠
3) 慢性の高CO2血症(PaCO2 45以上)
4) 睡眠呼吸障害が重症以上(AHI 30以上,SaO2最低値75%以下,SaO2 <90%の時間が45分以上または全睡眠時間の10%以上,SaO2<80%の時間が10分以上などを目安に)

複合性睡眠時無呼吸症候群(complex SAS)
OSASにCPAPを行うと出現する中枢型無呼吸やChene-stokes呼吸.

上気道抵抗症候群(UARS: upper airway resistance syndrome)
上気道狭窄により,睡眠中に無呼吸は少ないが頻回に脳波上の覚醒反応があるため日中の過眠を来す.OSASの亜型.

むずむず脚症候群(RLS:restless legs syndrome),周期性四肢運動障害(PLMD:periodic limb movement disorder)
RLSは就寝時に下肢の異常感覚があり日中の眠気が生じる.LMDは睡眠中に足関節に不随意運動が周期的に出る.
RLSを疑った場合,下肢筋電図を含めたPSGと,二次性RLSの鑑別(鉄欠乏性貧血,腎不全,関節リウマチ,胃切除,妊婦など),錐体外路症状のアカシジアとの鑑別を行う.

ナルコレプシー
日中の著しい眠気,情動脱力発作,入眠時幻覚,睡眠麻痺などを起こす.PSGで睡眠潜時が8分以下,入眠直後のREM睡眠が特徴.


by respiresi | 2015-04-26 22:15 | 睡眠障害 | Comments(0)