ピクトグラムでわかる呼吸器内科

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カテゴリ:緩和ケア( 5 )

呼吸困難 緩和ケアを中心に

呼吸困難への緩和ケアについての院内勉強会の資料です
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by respiresi | 2016-06-04 08:30 | 緩和ケア | Comments(0)

レジデントのためのがん疼痛マネージメント

レジデント向けの院内勉強会のスライドです.
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by respiresi | 2016-04-27 08:30 | 緩和ケア

終末期の輸液

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終末期に輸液をするかは,御本人,御家族,医師の考え方によるところが大きい.

急性期病院は終末期にも輸液を入れやすい環境にありますが,「水や栄養を入れても癌にとられるばかりで御本人が楽になるわけではない」ので,点滴減量・中止にしていきます.

予後1ヶ月
・経口摂取可能で,胸水による苦痛があるとき,
苦痛を悪化させないために,輸液を行わない方が良い.
1000ml以下の維持輸液を行っても良い
・脱水を伴ったせん妄があるとき,
せん妄の改善のために500~1,000ml/日の輸液を考慮
・浮腫による苦痛があるとき,
苦痛を軽減させるために輸液は1,000ml/日未満が良い
・経口摂取可能で,悪液質による食思不振のため栄養摂取が低下しているとき
予後改善目的の輸液は行わない方が良い

予後1~2週間
・悪液質や全身衰弱のために経口摂取ができず,PS3~4のとき
QOL改善目的で1000ml日以下の輸液が良い,高カロリー輸液を行わない方が良い,輸液を行わない方が良い
・経口摂取可能で脱水があるとき
500~1,000ml/日の輸液を考慮
・経口摂取可能で口渇があるとき
輸液を行わずに口腔ケアが良い
・せん妄があるとき,
せん妄の改善目的では輸液を行わないことを考慮
・経口的な水分摂取が減少しているとき
予後改善目的で輸液を行わない方が良い
・PS3~4で倦怠感のとき
倦怠感改善のための輸液は行わない方が良い

予後1週間
不可逆性の呼吸不全のとき
予後改善目的での輸液は行わない方が良い

予後数日
・気道分泌による苦痛があるとき,
気道分泌による苦痛の緩和のために,輸液量を500 mL/日以下に減量または中止するのが良い.


by respiresi | 2015-05-02 01:02 | 緩和ケア | Comments(0)

終末期における呼吸困難・鎮静

呼吸困難
酸素投与,モルヒネ,コデイン,ステロイド,ベンゾジアゼピン系など.オキシコドン,フェンタニルが呼吸困難に効くというエビデンスはない.

死前喘鳴
余命数日で気道分泌が亢進しているときに,エビデンスはないが抗コリン薬が臨床的に用いられる.ハイスコ,ブスコパンなど.

緩和ケアにおけるステロイド
生命予後2ヶ月から開始する.リンデロンは高力価,ミネラルコルチコイド作用がなく浮腫が少ない,作用時間が長く投与回数が少ない,食欲増進作用が強いため使われる.1~2 mg程度で開始する.


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鎮静にはミダゾラムを中心に使い,疼痛や呼吸苦の緩和にモルヒネ,せん妄にハロペリドールを併用する.
ミダゾラム2A+生食16 ml (1 mg/ml)持続皮下注or持続静注を0.2~1 ml/hで開始し,0.5~2 ml/h程度で維持する.


by respiresi | 2015-05-02 00:55 | 緩和ケア | Comments(0)

疼痛緩和

ガイドライン
緩和ケア領域はランダム化比較試験が行いにくく,エビデンスよりも経験則の分野.近年になってガイドラインが出始めた.

疼痛緩和
STEP 1. どのオピオイドを選ぶか?(基本投与)
定時投与の鎮痛剤に加え,突出痛にはレスキューで対応することで副作用とのバランスをとる.

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モルヒネ,オキシコドン,フェンタニルのいずれを選んでも良い.基本投与には作用時間の長いものを選ぶ.

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オピオイド持続皮下注(CSCI:continuous subcutaneous infusion)
末梢ルートがなくても使うことができ,投与量調節がしやすい.穿刺部が腫れやすいので1 ml/hまでを目安に.

フェンタニル投与早見表

フェンタニル原液PCA(ml/h)

1日量(mg)

デュロテップMTパッチ(mg)

フェントステープ(mg)

0.1

120

0.15

180

0.2

240

0.25

300

2.1

1

0.3

360

0.4

480

0.5

600

4.2

2


モルヒネ投与量早見表
横軸に10 mlシリンジ内のモルヒネ量 (mg)
縦軸にシリンジポンプの速度 (ml/h)
交差する数値がモルヒネ1日量 (mg)

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例:5 mg/dayを入れたい場合,モルヒネ20 mgを生食で希釈して10 mlにし,0.10 ml/hで始めればよい.

STEP 2. どのオピオイドを選ぶか?(レスキュー)
突出痛にはレスキューで対処する.レスキューは投与回数を制限しない.基本投与と同じ種類のオピオイドで効果発現時間の短いものをレスキューに選ぶ.フェンタニルのレスキュー製剤は高価で用法が複雑であり注意.

モルヒネ換算表・レスキュー早見表

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イーフェンバッカルの用量調節
用量調節期は1回50,100,200,400,600,800 μgの順に1段階ずつ調節し,1回50?600 μgで効果不十分の場合,30分後以降に同一用量を1回のみ追加投与.
用量維持期には1回用量の上限はフェンタニル800 μgで,投与間隔は4時間以上で,4回/dayまで.
アブストラルの用量調節
用量調節期は1回100,200,300, 400,600,800 μgの順に1段階ずつ調節し,1回100?600 μgで効果不十分の場合,30分後以降に同一用量を1回のみ追加投与.
用量維持期には1回用量の上限はフェンタニル800 μgで,投与間隔は2時間以上で,4回/dayまで.

STEP 3. オピオイドの副作用対策を行う
便秘

全例に出現.耐性はできない
刺激性緩下剤:プルゼニド,ラキソベロン
浸透圧性下剤:マグミット,アミティーザ
嘔気・嘔吐
3割にみられる.2週間で耐性ができるため中止できる.CTZ受容体拮抗薬が第1選択.
ノバミン,セレネース,体動時の吐き気にはトラベルミン
眠気
3-5日の経過観察で軽快する.痛みがなく眠気が多い場合は過量投与を疑い減量.全身倦怠感,筋力低下,口渇,精神症状ある場合には高Ca血症の鑑別が必要.

モルヒネ・コデイン・トラマドール過剰投与
睡眠時呼吸回数10回/min以下,瞳孔径3 mm未満は要注意
拮抗薬ナロキソン 0.1~0.2 mgを2~3分間隔で3回まで静注.作用時間が30分程度しかなく追加投与が必要な場合がある.
完全に拮抗させてしまうと激しい痛みや離脱症状が出ることがあるため,意識レベルではなく呼吸数を見て使う.
ベンゾジアゼピン拮抗薬は「アネキセート」の項を参照.

STEP 1~3の処方例
① 非オピオイド鎮痛薬
アセトアミノフェンまたはNSAIDsを使用する.選択的COX-2阻害薬(セレコックス)も臨床的には効果があると思われるが,推奨する根拠はない.PG製剤,PPI,H2ブロッカーのいずれかを併用する.
⇒ 鎮痛が不十分なら②か③へ

処方例1

ロキソニン(60) 3T/3×N,サイトテック4T/4×M

処方例2

カロナール(200) 8T/4×


② 弱オピオイド
トラマドールを少量より併用する.制吐薬は同時に定期処方してもよい.水分摂取や緩下剤など便秘対策を行う.トラマドールはトラマール25mgまたはトラムセット(トラマール37.5 mg+カロナール325 mg合剤)を使う.
トラマドールの代わりにタペンタドールでも良い.
⇒ 鎮痛が不十分なら,”トラマール100mg=モルヒネ20mg経口=オキシコンチン15mg経口” の換算でオピオイドに変更して③へ

処方例

トラムセット3T/3×N,マグミット(250)3T/3×,ノバミン3T/3×(14日間飲みきり中止),疼痛時トラムセット 1T 6hあけて


③ 強オピオイド
非オピオイド鎮痛薬を併用のままオピオイド(モルヒネ,オキシコドン,フェンタニル)を追加する.オピオイドは定期のほかに疼痛時のレスキューを用意する.オピオイド開始時の副作用対策は,制吐薬は同時に定期処方してよい.水分摂取や緩下剤など便秘対策を行う.

処方例1

ロキソニン(60) 3T/3×N, オキシコンチン(5) 2T/2×12時間毎, ノバミン(5) 3T/3×N, タケプロン(15) 1T/1×M,マグミット(330 3T/3×N, プルゼニド (12) 2T/便秘時, レスキュー:オキノーム (2.5)1P/1×疼痛時,1時間あけて

処方例2

ロキソニン(60) 3T/3×N, MSコンチン錠(10)2T/2×12時間ごと, ノバミン(5) 3T/3×N, タケプロン(15) 1T/1×M,マグミット(330 3T/3×N, プルゼニド (12) 2T/便秘時, レスキュー:オプソ (5)1P/1×疼痛時,1時間あけて


STEP 4. 痛みが取れないとき

1. オピオイドの増量
まずは最小量で始め,レスキュー使用回数から1日のオピオイド必要量を推定し,定期量を前日の30~50%の範囲でbase upする.
モルヒネには有効限界がないため,副作用がない限りbase upしていく.定期量に合わせてレスキュー量を調整する(STEP2の表を参照).

2. オピオイドを変更する(オピオイドローテーション)
有害事象が強い時や疼痛コントロールがうまくいかない時,投与経路を代えたい時に.
モルヒネ内服60 mg =オキシコンチン内服40 mg =フェントス2mg の換算で行う(STEP2の表を参照).
変更前の薬剤の半減期と,変更後の薬剤の血中濃度の立ち上がりを計算して加療にならないよう調整する.

3. 鎮痛補助薬を併用する
3-1. 神経因性疼痛
抗うつ薬
痺れ,焼けつく,締め付けられるような異常感覚を伴う持続性の痛みに.トリプタノール10~25 mg/1×vdsで開始.最大投与量150 mg/3×N.副作用は眠気,めまい,起立性低血圧,抗コリン作用(口渇,便秘,排尿障害).緑内障や心筋梗塞回復初期で禁忌.効果発現まで7日.
抗けいれん薬
電気が走る,刺すように,鋭く痛むような発作性の痛みに.テグレトール200 mg/1×vdsで開始.副作用は眠気,嘔気,せん妄.房室ブロックや高度徐脈で禁忌.
抗不整脈薬
持続性の痛みと発作性の痛みの両方に.メキシチール150 mg /2×MAで開始.最大投与量300 mg/3×N.副作用は嘔気,めまい.重篤な刺激伝導障害で禁忌.
ケタミン
抗痙攣薬,抗うつ薬が不十分なとき.副作用はめまい,眠気,嘔気,せん妄,穿刺部発赤.
筋注用5%ケタラール4 ml+生食6 mlを持続点滴or持続皮下注0.2 ml/h(100 mg/日)で開始.麻薬処方箋が必要.

3-2. 骨転移痛
放射線治療,ビスホスフォネート(ゾメタ),ステロイド,メタストロン.
メタストロン(塩化ストロンチウム89Sr)
多発性骨転移の疼痛で,NSAIDsやオピオイド,放射線で疼痛コントロールが難しい骨転移痛の治療薬.副作用は,一時的な疼痛増強と骨髄抑制.



by respiresi | 2015-05-02 00:47 | 緩和ケア | Comments(0)