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カテゴリ:胸膜( 2 )

気胸pneumothorax・乳び胸

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ガイドライン

ガイドラインはあるが,治療方針は施設によりけりで文献によっても様々.

当院では穿刺による脱気はあまり効果がないのでしていない.

軽度

肺尖が鎖骨レベルまたはそれより頭側(胸壁から23cm以内)

軽度で呼吸困難などが乏しいとき,経過観察

中等度

軽度と高度の中間

胸腔ドレナージ

高度

全虚脱またはこれに近いもの


緊張性気胸:胸部XPで縦隔・横隔膜が健側に偏位していて吸気相にも復位がないか,偏位があって呼吸困難・血圧低下・頻脈などあり.
気胸側の呼吸音減弱,気胸側の胸壁運動低下,健側の胸郭拡大あり.レントゲンを撮る余裕もないほど緊急の時は18Gより太めの留置針を挿入してから胸腔ドレーンを入れる方法もある.


クランプテスト
クランプテストには賛否ある.ドレーンクランプし,半日~1日程度気胸の再発がないことを確認してからドレーンチューブを抜去する.気胸が増悪する可能性があるので,モニタリングや,増悪時にすぐにクランプを解放する準備が必要.
トパーズ電動式低圧吸引器ではリーク量の記録ができる.

難治性気胸の治療
① 自家血パッチ:50 mlの血液を採血し,抗凝固薬を使用せず胸腔ドレーンから胸膜腔に注入.
② VATS:気胸の原因である気腫性病変を切除.

乳び胸
非外傷性の場合,悪性リンパ腫,肝硬変,うっ血性心不全,ネフローゼなどの背景疾患の検索が必要.検査はリンパ管造影.
治療は高カロリー輸液,低脂肪食,胸腔ドレーン,胸腔腹腔シャント挿入,外科的な胸管結紮.


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by respiresi | 2015-05-02 10:26 | 胸膜 | Comments(0)

胸水pleural effusion

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【まずコレ】

胸水(臨床・一般・抗酸菌・一般細菌・蛋白・LDH・細胞診)

【さらに精査するとき】

結核菌PCR,非結核性抗酸菌PCR,ヒアルロン酸,アミラーゼ,GluCEAADARFTG


Lightの基準
① 胸水の総蛋白/血清総蛋白>0.5
② 胸水LDH/血清LDH>0.6
③ 胸水LDH>血清LDH正常上限の1/3
いずれか1つを満たせば浸出性,満たさなければ漏出性.

浸出性胸水は混濁,血性,膿様.比重1.018以上,リバルタ反応陽性,細胞数多数(100個/μL以上),好中球やリンパ球が多い
漏出性胸水は水様性透明.比重1.015以下,リバルタ反応陰性,細胞少数,中皮細胞や組織球が多い.
利尿薬使用中は浸出性に見えることもあるが,血清と胸水のAlb値の差が1.2 g/dl以上で漏出性と考える.

Glu60 mg/dl以下

肺炎随伴性,悪性,リウマチ性,結核性胸膜炎,肺吸虫症

アミラーゼが血清アミラーゼの正常上限以上

膵疾患,悪性,食道破裂

pH 7.2以下

複雑性肺炎随伴性,食道破裂,リウマチ性胸膜炎,結核性胸膜炎,悪性,肺吸虫症,ループス胸膜炎,膿胸

ヒアルロン酸10ng/ml or 75 mg/L以上

悪性中皮腫

ADA 50 U/l以上

結核性胸膜炎,リウマチ性胸膜炎,膿胸

RF 320倍以上

リウマチ性胸膜炎

TG 110 mg/dl以上

乳び胸

好酸球10%以上

胸腔内の血液,空気があるとき

リンパ球増多

結核性胸膜炎,癌性胸膜炎

好中球優位

膿胸,肺炎随伴性

浸出性でリンパ球優位,黄色爪

黄色爪症候群


浸出性胸水の治療
鏡面像あり,水気胸,多量の胸水,胸水pH 7.0以下,胸水Glu 40 mg/dl以下は至急胸腔ドレナージが必要.

膿胸の治療
抗生剤加療が必須.抗生剤の胸腔内投与はエビデンスは乏しい.胸腔ドレーンは排液が50~100 ml/day以下で澄んだ黄色になるまで留置.
重症の場合は,胸腔内フィブリン溶解剤,胸腔鏡による癒着剥離術,被膜剥離術,開放ドレナージなどがある.
ウロキナーゼ6万単位+生食100mlを1日1回胸腔内へ注入し数時間クランプを2~3日間程度(樋口 清一 他, 日本胸部臨床; 71: 77-84. 2012.)
早期のフィブリン膜は局麻下胸腔鏡で破壊可能だが,血管の増生を伴うと出血リスクが高い.
胸腔洗浄はエビデンスはないが良く行っている

漏出性胸水の治療
ドレナージしても再貯留するだけで効果がないことが多く,基本的には原疾患の治療を行う.
利尿薬使用中では,うっ血性心不全の胸水でも浸出性と判定されることがある.
うっ血性心不全の胸水
両側に多い.基本は心不全の治療.大量の場合は胸水排液.
肝硬変による胸水
右側に多い.治療はラシックス40 mg+アルダクトン 100 mgで開始.穿刺による持続排液は行わない.

胸腔穿刺
・体位は座位で.座位が無理なら可能な限り上体を起こす.腕を挙上させると肋間も広がり刺しやすい.
・エコーで前後左右に臓器のない安全に穿刺できる部位を選択する.
・穿刺は肋骨下縁を通る肋間動静脈・神経を避けるため肋骨上縁を穿刺する.
・脱気の場合は仰臥位で第2~3肋間鎖骨中線,排液の場合は仰臥位で第4~第6肋間中腋窩線上を穿刺する.

・ キシロカイン麻酔は,皮下と壁側胸膜に.陰圧をかけながら穿刺し,抵抗が消え,胸水が引けた部分よりも,少し手前にひいた胸水が引けない部分が壁側胸膜.
・ 内筒を抜く際や注射器の付け替えの際に,胸腔と大気を開通させたままにしてしまうと外開放性気胸になる.三方活栓を使った方が良い.
・ 合併症は気胸,キシロカインアレルギー,迷走神経反射,出血,臓器穿刺.
・ 1回で最高1000 mlまでにとどめる.再膨張性肺水腫や血圧低下の危険がある.



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by respiresi | 2015-05-02 10:14 | 胸膜 | Comments(0)