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カテゴリ:医療安全・医療倫理( 16 )

異状死体等の届出義務

・医師は死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは,24 時間以内に所轄警察署に届け出なければならない. (医師法)

・異状死の定義は転々としており,最近では異状死の届け出義務は「死体の外表に異状があった場合」にのみという判例がある.



術中死などの医療事故は医療安全と相談し,事務職から所轄の警察に「報告」をして異状死として届け出るかを相談するという書籍もあるし,届出が必要との書籍もある.どちらが良いのかは不明.

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by respiresi | 2015-08-28 23:27 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)

裁量権

・医師は診療にあたり,いかなる療法を用いるかを選択する裁量権がある.医療行為が適切かは,医療行為が「裁量権」の範囲以内であるかどうかで判断される.裁量権は医療水準に達している範囲内で,患者の自己決定権を基礎とするものでなければならない.



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by respiresi | 2015-08-27 23:25 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)

無診察治療などの禁止

・医師は,自ら診察しないで治療をし,若しくは診断書若しくは処方せんを交付し,自ら出産に立ち会わないで出生証明書を若しくは死産証書を交付し,又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない. 但し,診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については,この限りではない(医師法).

・無診察処方が許される条件としては,病識のない精神病患者が治療を拒んでいること,患者を通院させることができるようになるまでの一時的な措置であること,相当の臨床経験のある精神科医が家族等の訴えを十分に聞いて慎重に判断していること,保護者的立場にあって信用のおける家族に副作用等について十分説明したうえで行われていること,特段の事情がないこと.

・かかりつけ患者からの電話相談では,あらかじめ病態が分かっている場合には,例外的に電話での服薬指示が許されるかもしれない.

外来で「診察なしで薬だけ」というのは無診察治療にあたる恐れがあります.

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by respiresi | 2015-08-26 23:26 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)

応招義務

・診療に従事する医師は,診察治療の求めがあった場合には,正当な事由がなければ,これを拒んではならない.(医師法)

・治療費の不払い,診療時間外,天候不良(事実上往診不能な場合以外)専門外であることを理解した上で患者が診療を求める場合,医師の軽度疲労は正当な事由にならない.

・応急処置が必要な患者については応急処置をする必要があり,専門外であるときには専門の施設を,休日夜間のときには診療している施設を提示する義務はある.

・医師不在や病気により事実上診療が不可能な場合は正当な事由になる.

・飛行機内で乗り合わせた場合など診療に従事していない場合は,緊急事務管理として「悪意または重大な過失があるのでなければ,これによって生じた損害を賠償する責任を負わない」という解釈がある.ただし本法での法律は制定されていない.



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by respiresi | 2015-08-25 23:26 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)

医療過誤と医療事故の具体例

    • 不可抗力のせん妄で怪我をした場合,通常の注意義務を果たしていれば,不可抗力として責任は問われない.

    • モニターアラームに気がつかずに対処が遅れた場合、責任を問われうる.特に問題のないアラームに紛れて重症のアラームが鳴っている際に注意.モニターアラームを切っていた場合も同様.

    • 採血時に手技上問題がないが神経損傷を起こした場合は,不可抗力であり医療過誤ではない.ただし判例は様々で,採血時の異常は採血の仕方,スムーズに採血ができたか,穿刺部位など具体的な記録を残すことが勧められる.

    • 抗癌剤点滴の血管外漏出の場合,リスクを説明していても漏出の発見が遅れていれば医療過誤ありとされうる.

    • 誤嚥事故では,摂取させた食物が適切か,摂取時の看護が適切か,誤嚥後の対応が適切かが問題となる.いずれも適切であれば誤嚥事故でも過失とはならない.ただし,誤嚥事故で摂取時は5分ごとの見守りでも不十分とする判例もある.

    • 病院は診療契約に基づき,入院患者を適切に管理する義務を負うっため,転倒・転落事故は管理責任を問われることがある(民法).ただし,ベッドからの転落が,危険度を評価し適切な対応を行っていても起きてしまった場合は,過失なしという判例がある.

    • 入院患者の身体を抑制することは、その患者の受傷を防止するなどのために必要やむを得ないと認められる事情がある場合にのみ許容されるべきもの(最高裁).

    • 入院患者が自殺しても,自殺が具体的に予見できなければ,過失とはならない.

    • 入院患者が,入院中や外出中に他の患者に危害を加えても,明らかに予見でき予防策がある場合でなければ,医療者は責任を負わない.

    • 褥瘡は,適切な予防処置がとられていたかどうかで注意義務違反かどうかが判断される.

    • 院内でMRSA感染症が起きるだけでは過失はないが,培養検査などが遅れて重症化した場合や,褥瘡部位の感染が明らかなのに治療しなかった場合,感染予防が不十分な場合は過失とされた判例がある.

    • 健診で肺癌を見落とされ,その後1年遅れで手術した場合,癌の再発がなくても5年生存率が落ちた精神的苦痛として慰謝料の判例がある.

    • 呼吸器内科に通院中に進行胃癌が見つかり,胃部不快感があったのに早期発見できなかったと訴えられた裁判があるが,医師が内視鏡を勧めていたが本人が希望しなかった,腫瘍マーカーを測定していたなどの理由から過失なしの判例がある.

    • エタンブトールによる視力障害の発見が遅れて失明した事件や,難聴患者にストレプトマイシンを使い完全に聴力を失った事件で,病院側敗訴になった事例がある.

    • 好酸球増多が出たのに抗菌薬の薬剤性肺炎に気づくのが遅れた症例で,医師の過失ありの判例がある.

    • 担癌で予後612ヶ月の患者が,カンジダによるカテ感染から敗血症となり死亡した場合,カテ抜去が遅れたため通常の癌死よりも死期を早めたとして短くなったとして慰謝料1200万の判決がある.

    • 抗癌剤の過量投与により執行猶予月の刑事責任の判決例がある.担当医のみならず指導医も責任を問われた.

    • 内視鏡時のキシロカインによるアナフィラキシーショックで,バイタルサインの推移や処置の時刻の記録がないこと,救急カートが内視鏡室になかったことを過失とされた判例がある.

    • 人工呼吸管理中に痰詰まりによる急変で,血ガス,呼吸状態の記録,吸引が不十分で過失とされた判例がある.



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by respiresi | 2015-08-24 23:33 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)

医療事故・医療過誤

・医療事故は医療の過程において発生する全ての人身事故で,そのうち過失があるのが医療過誤.過失は注意義務に違反すること.

・注意義務の基準は,診療当時における臨床医学の実践における医療水準のこと.

・その時代の,その施設の役割,医療環境によって求められる医療水準が決まっており,それに見合った医療を行ったかどうかが焦点となる.その時代とは,その時期にその検査・治療法がどの程度有用性が認められ,普及していたか.医療環境とは,設備の限られる山奥の診療所や一般開業医と,大学病院などでは求められる水準が異なる.急変時に放射線科医が気管挿管を試みず,麻酔科医師を待ったことが容認された判例がある.

・医療慣行に従っていても,医療水準に達していないと注意義務を尽くしたとは言えないとされた判例がある.

・ガイドライン自体に医療訴訟の資料となるものではない旨が明記されているが,ガイドライン・院内マニュアルは過失の判断根拠とされ得る.ガイドラインには主要学会のものから研究会のものまであるが,どこまでという基準はない.

・後医の前医批判は医事紛争の発生要因で厳に慎むこと.



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by respiresi | 2015-08-24 23:25 | 医療安全・医療倫理 | Comments(0)