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カテゴリ:呼吸器内科の薬( 6 )

肺炎球菌ワクチン

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ニューモバックスは肺炎球菌の莢膜を用いた不活化ワクチン.肺炎球菌性肺炎を63%減らすというデータがある.


対象者は,
1.65歳以上の高齢者で
   肺炎球菌ワクチン接種を受けたかどうかはっきりしない人
2.2~64歳で下記の慢性疾患やリスクを有する人
   慢性心不全.慢性呼吸器疾患,糖尿病
   アルコール中毒,慢性肝疾患,髄液漏
3.脾摘を受けた人,脾機能不全の人
4.老人施設や長期療養施設などの入居者
5.易感染性患者

・ 脾摘患者であれば保険適応で接種できる.それ以外は自由診療だが,年齢によって公費補助が受けられる場合がある.5の倍数の年齢だけ公費負担で非常にややこしい

・ 効果は5年程度であり,再接種は5年間あけて行う.
・ 生ワクチンの接種を受けた者は27日以上,また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は6日以上,間隔をおいて本剤を接種する.
・ 肺炎治癒後の摂取は状態が落ち着けば可能だが,退院8週後に接種する報告がある(Intern. Med. 154: 1961-65, 1994.)

副作用はインフルエンザワクチンとほぼ同じで,注射部位の掻痒感,発赤,腫脹,軽い発熱,筋肉痛など.アナフィラキシーは稀.
プレベナーも成人適応になったが,公費制度ではない.

【参考文献】
1. 日本感染症学会. 肺炎球菌ワクチン再接種に関するガイドライン2009. http://www.kansensho.or.jp/topics/pdf/pneumococcus_vaccine.pdf
2. 松本 慶蔵. 肺炎球菌ワクチンの新しい展開 改訂第3版. 医薬ジャーナル社; 2012.


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by respiresi | 2015-06-13 22:52 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)

ステロイド

内服は静注の5割~8割の量で換算.パルス (1000 mg/day)は必ず点滴で1時間以上かけて.慢性疾患では2週間で10%ずつ減量する.喘息発作などの短期間投与は急激な減量・中止が可能.

副作用対策
1. 易感染性,感染症
「ニューモシスチス肺炎」,「潜在性肺結核」の項を参照.
CRP陰性化,WBC上昇するので感染徴候に注意.
2. 間脳・下垂体・副腎系の抑制
6ヶ月以上 PSL10 mg/日では抑制される.
3. 骨粗鬆症
PSL 5 mg/日以上・3ヶ月以上や,%YAM<80では治療が必要.日本骨代謝学会よりガイドラインが出ている.
(日本骨代謝学会. ステロイド性骨粗鬆症の管理と治療ガイドライン:2014年改訂版. http://jsbmr.umin.jp/pdf/gioguideline.pdf を参照)

4. 消化性潰瘍
H2 blocker,PPIなど
5. 高血糖
糖尿病を確認する.PSL 30 mg/日以上では血糖測定・スライディングスケールを考慮する.
6. 夜間不隠(不均等投与では夕方の服用量を少なく),体液貯留,高血圧,不整脈,大腿骨頭壊死,白内障,緑内障,中心性肥満,多毛,にきび,満月様顔貌,皮膚線状,ステロイド筋症.突然の服用中止でステロイド離脱症候群・副腎不全(全身倦怠感,関節痛,嘔気).

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by respiresi | 2015-04-19 23:28 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)

去痰薬・鎮咳薬

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去痰薬
気道粘液溶解薬:粘っこい痰に
ビソルボン(錠,注,吸入),ムコフィリン(吸入液)
サラサラな痰や喘息発作で使うと増悪することあり

気道粘液修復薬:すべての痰に
ムコダイン(錠,細粒,シロップ),クリアナール(錠)

粘膜潤滑薬:すべての痰に
ムコソルバン(錠)

経鼻的に吸引できない粘性痰で肺炎を繰り返す場合には,輪状甲状膜を切開し,ミニトラックやトラヘルパーの留置も検討する.
RTX,PULSAR,スマートベスト,ラングフルートなどの排痰装置もあるが,エビデンスは強くない.
※ ビソルボンは当科では全く使われず,専ら他科で処方される.なぜだろう?

去痰薬吸入
肺炎やCOPDには,気管支拡張と喀痰の排出のため,メプチン吸入液1本+ムコフィリン吸入液1本をネブライザーで1日3~4回.
喘息の場合には,気管支拡張と抗アレルギー作用のため,メプチン吸入液1本+インタール吸入液1本±パルミコート0.5 mgをネブライザーで1日3~4回.

鎮咳薬
湿性咳,誤嚥,喘息発作やCOPD急性増悪に鎮咳薬を使うと症状悪化の恐れがある.喀血や肋骨骨折,咳嗽によるQOL低下が著しい時に使う.

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中枢性麻薬性鎮咳薬 作用が強力で呼吸抑制,便秘,眠気,嘔気,尿閉に注意.
リン酸コデイン,濃厚ブロチンコデインシロップ


中枢性非麻薬性鎮咳薬 対症療法に.トクレスSPカプセル,メジコン,フスタゾール

末梢性鎮咳薬 補助的に用いる.SPトローチ,キョウニン水など


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by respiresi | 2015-04-19 22:39 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)

アレルギーの治療薬

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第1世代抗ヒスタミン薬

商品名

ポララミン,アタラックスP

対象

(副作用が強くあまり使わない)

副作用

抗コリン作用,肝障害,眠気が出やすく運転しないよう説明する.



第2世代抗ヒスタミン薬

商品名

ザイザル,アレジオン,アレグラ,クラリチン

対象

軽症の気管支喘息安定期.特にアレルギー性鼻炎やアトピーを伴う場合.くしゃみ・鼻漏型通年性アレルギー性鼻炎,花粉症.

効くまで2週間.

副作用

肝障害,眠気があり運転しないよう説明する.アレグラとクラリチンは添付文書に運転注意の記載がない.



メディエーター遊離抑制薬

商品名

インタール

対象

軽症の気管支喘息安定期.くしゃみ・鼻漏型通年性アレルギー性鼻炎,軽症の花粉症.効くまで12週間.

副作用

胃腸障害や肝障害だが副作用は少ない



プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2阻害薬

商品名

バイナス

20153月現在,当院採用薬ではない

対象

軽症の気管支喘息安定期,鼻閉型通年性アレルギー性鼻炎.鼻閉型花粉症.効くまで12週.鼻閉へは 2世代抗ヒスタミン薬よりも優れる.

副作用

出血傾向,肝炎,腹痛




Th2サイトカイン阻害薬

商品名

アイピーディ

対象

中等症の気管支喘息安定期.鼻閉型通年性アレルギー性鼻炎,軽症の花粉症.

副作用

消化器症状,肝障害




ロイコトリエン拮抗薬

商品名

オノン,キプレス,シングレア

対象

気管支拡張作用と気道炎症抑制作用

全ての気管支喘息安定期.特にアレルギー性鼻炎合併,運動誘発喘息やアスピリン喘息に有効.

鼻閉型通年性アレルギー性鼻炎,鼻閉型花粉症.

効くまで1週間.

副作用

肝障害


抗IgE抗体
[商品名] ゾレア
[対象] 通年性アレルゲンに感作されていて血清 IgE 30 IU/ml~1500 IU/ml.高容量のICSとLABAを併用してもコントロールが不十分な場合
[副作用] 注射局所の疼痛,腫脹,アナフィラキシー
[用法] (ゾレア添付文書. 2013年8月改訂. ノバルティスファーマ を参照)

変調療法
機序も不明だが効くとされる.鼻アレルギー診療ガイドラインや,職業アレルギーなどに載っているが,喘息のガイドラインには載っていない.抗アレルギー薬が普及し,現在はごく一部で使われる.
・ヒスタミン加免疫グロブリン(ヒスタグロビン):血液製剤で同意書が必要.
・ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン)
・金製剤(シオゾール)

舌下免疫療法(SLIT:sublingual immunotherapy)
スギ花粉エキスのシダトレンを舌下投与する減感作療法.当院では行っていない.花粉シーズンの2ヶ月前には治療を開始し,2~3年続ける.有効率は70%程度.適応症例は12歳以上で,抗ヒスタミン薬やLTRAなどで症状がコントロールできない場合や長期の薬物療法を希望されない場合など.通院やアナフィラキシーについての十分なI.Cが必要.



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by respiresi | 2015-04-19 22:34 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)

気管支拡張薬

テオフィリン
[商品名] テオドール,テオロング,ユニフィル,ネオフィリン
[薬理] 気管支平滑筋弛緩,抗炎症作用
[対象] 気管支喘息安定期,気管支喘息発作,COPD安定期,COPD急性増悪.
[副作用] 至適血中濃度は 5~15 μg/ml. 過量で頭痛,痙攣,動悸,嘔気,下痢が出るため,投与量調節が必要.
[備考] ユニフィルは1日1回投与で良い

β2受容体刺激薬
[薬理] β2受容体を選択的に刺激し気管支平滑筋を弛緩
[副作用] 心悸亢進・振戦など

長時間作用性β2刺激薬(LABA:Long acting β2 agonists)
[商品名] セレベントディスカス,ホクナリンテープ,オンブレスブリーズヘラー,オーキシス
[対象] 気管支喘息安定期,COPD安定期など

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吸入長時間作用性β2刺激薬+吸入ステロイド合剤
[商品名] アドエアディスカス,アドエアエアー,レルベアエリプタ,シムビコート
[対象] 気管支喘息安定期, 中等症以上のCOPD安定期
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短時間作用性β2刺激薬(SABA:short acting β2 agonist)
[商品名] メプチンエアー,サルタノールインヘラー,メプチンクリックへラー、メプチンスイングへラー
[対象] 気管支喘息発作, COPD急性増悪

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抗コリン薬
[薬理] アセチルコリンのムスカリン受容体の刺激を阻害
[対象] COPD安定期, COPD急性増悪,気管支喘息発作.
[副作用] 排尿障害,眼圧上昇,口渇
前立腺肥大・緑内障で禁忌だが,α1受容体阻害薬を併用したり,開放隅角緑内障で使えることがある.

長時間作用性吸入抗コリン薬(LAMA:long acting muscarinic antagonis)
[商品名] スピリーバ,シーブリ, エクリラ

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短時間作用型吸入抗コリン薬(SAMA:short acting muscarinic antagonis)
[商品名] テルシガン,アトロベント
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LAMA/LABA合剤
[商品名] ウルティブロ,アノーロ
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by respiresi | 2015-04-19 22:20 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)

吸入ステロイド (ICS:inhaled corticosteroid)

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全身性の副作用は少ないが,口腔カンジダ,嗄声がでる.吸入後はうがいをする.

ICSの使い分け
プッシュ式(pMDI:pressurized Metered Dose Inhaler)はタイミングに合わせて吸う必要がある.ドライパウダー吸入器(DPI: Dry Powder Inhaler)は粉を吸うための吸気速度が必要.吸入力はインチェックダイアル?や,販売元のトレーナーで測定できる.


ICSの用量別推奨量(μg/day)

 

 

低用量

中用量

高用量

BDP-HFA

キュバール

pMDI

100200

400

800

CIC-HFA

オルベスコ

pMDI

100200

400

800

FP-DPI

フルタイドディスカス

DPI

100200

400

800

FP/SM DPI

アドエアディスカス

DPI

200

500

1000

FF/Vi

レルベアエリプタ

DPI

100

100200

200

FP/SM pMDI

アドエアエアー

pMDI

200

500

1000

FP/FM

フルティフォーム

pMDI

200

500750

1000

BUD-DPI

パルミコート

DPI

200400

800

1600

BIS

パルミコート懸濁液

0.5(mg)

1(mg)

2(mg)

BUD/FM

シムビコート

DPI

320

640

1280

MF-DPI

アズマネックス

DPI

100200

400

800


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キュバール(べクロメタゾン)
プッシュ式.エタノール含有あり.

アドエアエアー(フルチカゾン・サルメテロール)
プッシュ式.エタノール含有なし.ICSとLABAの合剤.

フルティフォーム(フルチカゾン・ホルモテロール)
プッシュ式.

オルベスコ(シクレソニド)
プッシュ式.エタノール含有あり.中用量までは1日1回吸入で良い.

フルタイドディスカス(フルチカゾンプロピオン酸)
ドライパウダー吸入器.嗄声が多い.乳糖添加で甘みあり.

アドエアディスカス(フルチカゾンプロピオン酸・サルメテロール)
ドライパウダー吸入器.ICSとLABAの合剤(フルタイド+セレベント).用量を変えても吸入回数は1日2回.乳糖添加で甘みあり.

レルベアエリプタ(フルチカゾンフランカルボン酸・ビランテロール)
ドライパウダー吸入器.ICSとLABAの合剤.用量を変えても吸入回数は1日1回.

パルミコートタービュヘイラー(ブデゾニド)
ドライパウダー吸入器.妊婦での安全性が高い.乳糖添加なく苦味あり.ネブライザー用の吸入液もある.
 
シムビコートタービュヘイラー(ブデゾニド・ホルモテロール)
ドライパウダー吸入器.比較的作用時間の早いLABAとICSの合剤.定期使用に加えて,発作治療薬としても使用するSMART療法(Symbicort Maintenance and Reliever Therapy)がある.

アズマネックスツイストへラー(モメタゾン)
嗄声が多い.操作が簡便.



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by respiresi | 2015-04-19 21:55 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)