ピクトグラムでわかる呼吸器内科

respiresi.exblog.jp ブログトップ

<   2015年 04月 ( 130 )   > この月の画像一覧

抗癌剤投与量

投与計画はレジメにより異なる.1コースめは入院で,2コースめ以降は外来で行うことが多いが,病院の実情によって差がある.

体表面積をもとにした投与量
CDDP,Bev,PTX,CPT-11,AMR,VNR,DTX,GEM,PEMの場合
体表面積=体重 0.425 × 身長 0.725 × 0.007184

AUCをもとにした投与量
CBDCAの場合
投与量(mg) = 目標AUC×(GFR + 25)
GFR= (140 - 年齢)×実測体重/72/Cre  (女性は×0.85)
ただし最大100 ml/minとして扱う.

特殊な投与量
TS-1,イレッサ,タルセバの場合

肝・腎機能障害における投与量調節
添付文書に投与量調節の記載はほとんどなく,up to dateやSIOGの推奨,根拠論文などを参考にする.

c0367011_23444015.jpg
c0367011_23444204.jpg



[PR]
by respiresi | 2015-04-30 23:42 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

SCLCのレジメ

c0367011_23395817.jpg
c0367011_23400083.jpg
c0367011_23392177.jpg
LDの場合
CDDP+VP-16+radiation同時併用が標準的.PSにより,CDDPをCBDCAに変更することもある.CPT-11は血液毒性のため放射線療法と併用しにくく使われない.

[PR]
by respiresi | 2015-04-30 23:40 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

NSCLCのレジメ

詳細は肺癌学会のガイドラインを参照
(著作権の関係で転載の許可が下りなかったため)

c0367011_22020779.jpg
c0367011_22132775.jpg
c0367011_23281289.jpg

c0367011_22153662.jpg
c0367011_23281496.jpg


[PR]
by respiresi | 2015-04-30 22:13 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

抗癌剤の禁忌

c0367011_21500193.jpg

骨髄抑制,高齢者,感染症,肝障害,腎障害はほとんどの抗癌剤で投与禁忌か慎重投与.

禁忌

慎重投与

間質性肺炎

GEM(有症状時),AMR(有症状時),CPT-11

DTXGEMPEMVNRPTXAMRgefitiniberlotinibTS-1, crizotinibafatinib, alectinib

胸部放射線療法

GEM

gefitiniberlotinib

胸水・腹水

CPT-11(多量の時)

PEM

虚血性心疾患

GEMVNR

心機能障害

AMR

TS-1

QT延長

crizotinib

浮腫

DTX

喀血

Bev

脳転移

Bev

黄疸・下痢・イレウス

CPT-11

便秘

VNR

下痢

UFT(重篤な場合)

神経筋疾患

VNR

アルコール過敏

PTX

水痘

CBDCACDDPVP-16AMR

UFT

糖尿病

CPT-11TS-1UFT

腹腔内炎症,術創が治癒していない,出血・凝固異常,抗凝固剤,高血圧

Bev

消化性潰瘍

TS-1UFT



[PR]
by respiresi | 2015-04-30 21:44 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

化学療法

c0367011_21434226.jpg


殺細胞薬

プラチナ製剤

CDDP

CBDCA

骨髄抑制などの副作用が多い

使ってみるまで効くかどうか分からない

プラチナ製剤以外

CPT-11, VNR, VP-16, PEM, TS-1, UFT, PTX, DTX, AMR

分子標的治療薬

EGFR-TKIEML4-ALK阻害薬,抗VEGF抗体

骨髄抑制などの副作用が少ない.遺伝子解析で効きやすいか予測できることも



プラチナ製剤
DNAに結合してDNA複製を阻害して抗癌作用を示す.
シスプラチン(CDDP:cisplatin)
腎障害予防のため前日~数日後まで大量補液と,ラシックス・マンニトールによる利尿が必要.腎障害(容量依存),嘔気・嘔吐,好中球減少,脱毛,末梢神経障害など.小細胞癌と非小細胞癌では投与量が違う.
カルボプラチン(CBDCA:carbplatin)
シスプラチンとほぼ同等の成績で,嘔気や腎毒性が軽微.大量輸液がいらないので外来化学療法に向く.血小板減少.脱毛,末梢神経障害など


プラチナ製剤以外の殺細胞薬
微小管阻害薬
細胞分裂時に染色体を2つに分ける微小管を阻害して抗癌作用を示す.
ナベルビン(VNR:vinorelbine)
ビンアルカロイド系.好中球減少,血管炎,末梢神経障害,嘔気,便秘など.
パクリタキセル(PTX:paclitaxel)
タキサン系.好中球減少,末梢神経障害(容量依存),関節痛,筋肉痛,嘔気,過敏反応,便秘,脱毛,口内炎など.末梢神経障害予防に牛車腎気丸,メチコバール,COX-2阻害薬,芍薬甘草湯.過敏反応の予防のため,デカドロン,抗ヒスタミン薬,H2ブロッカーを前投与し,点滴開始後1時間はモニターをつけ過敏反応に注意する.アルコール含有.
アブラキサン(NabPTX:Nab-paclitaxel)
アルブミン付加によりパクリタキセルよりも急性過敏性反応が少ない.骨髄抑制,末梢神経障害,黄斑浮腫など.輸血同意書は必要.
タキソテール(DTX:docetaxel)
好中球減少,過敏反応,心嚢液貯留,嘔気,浮腫(容量依存),脱毛,神経障害,口内炎など.アルコール含有.
代謝拮抗薬
DNAの材料の葉酸・ピリミジン・プリンに類似しておりDNA合成を妨げて抗癌作用を示す.
アリムタ(PEM:pemetrexed)
葉酸系.非小細胞癌・非扁平上皮癌に使う.嘔吐,好中球減少症,白血球減少症,貧血,肝障害,口内炎・咽頭炎,血小板減少症,便秘など.投与1週間前にVitB 12(メチコバール)を1000 μg筋注,以降9週(3コース)毎に筋注.投与1週間前から葉酸0.5 mg/day(パンビタン1g)を開始し投与後22日まで投与.NSAIDsと併用注意なのでアセトアミノフェンへの変更を検討する.
1週前にビタミンというのは,臨床試験でのプロトコールでの設定で,4日前でも変わらない報告がある.(Lung cancer 2013; 81: 231-5).

ティーエスワン(TS-1:tegafur gimeracil oteracil)
ピリミジン系.骨髄抑制,嘔気,下痢,口内炎,色素沈着.
ジェムザール(GEM:gemcitabine)
ピリミジン系.好中球減少,血小板減少,間質性肺炎.
テガフール・ウラシル(UFT)
ピリミジン系.術後補助化学療法として1~2年間内服で用いられる.肝障害,口内炎,食欲不振,色素沈着,骨髄抑制など.

トポイソメラーゼ阻害薬
DNA合成酵素トポイソメラーゼを阻害して抗癌作用を示す.
トポテシン(CPT-11:irinotecan)
トポイソメラーゼⅠ阻害薬.白血球減少,下痢,嘔気,脱毛など.WBC 2000以下,Plt 10万以下では投与中止.
早発型下痢は投与直後に起こり,一過性であり抗コリン剤で対処する.遅発型下痢は投与後1~2週で起こり,腸管粘膜障害により重篤化しやすい.下痢対策として,ビオスリーではなく,腸内のアルカリ化のため炭酸水素ナトリウム 2g/3×N, ウルソ(100) 6T/3×Nと,便秘予防のマグミット(330) 3T/3×NをCPT-11投与日より4日間投与する.対症療法としてロペミンを使う.
UGT1A1遺伝子多型
肝臓で代謝産物のSN-38をグルクロン酸抱合するための酵素(UGT)に個人差があり,副作用の差となって現れる.

Grade3以上の好中球減少

Grade3の下痢

UGT1A1*6UGT1A1*28を持たない

14.3

14.3

UGT1A1*6またはUGT1A1*28をヘテロで持つ

24.1

6.9

UGT1A1*6またはUGT1A1*28をホモで持つ,

もしくはUGT1A1*6UGT1A1*28をヘテロで持つ

80.0

20.0


(トポテシン添付文書より引用)

ハイカムチン(nogitecan,topotecan)
トポイソメラーゼⅠ阻害薬.骨髄抑制,嘔気,脱毛.
ラステット(VP-16:etoposide)
トポイソメラーゼⅡ阻害薬.好中球減少,嘔気,脱毛,肝障害,口内炎など.
カルセド(AMR:amurubicin)
トポイソメラーゼⅡ阻害薬.汎血球減少,間質性肺炎,嘔気,脱毛.


分子標的治療薬
抗VEGF(血管内皮増殖因子)モノクローナル抗体
アバスチン(Bev:Bevacizumab)

リスク因子(扁平上皮癌や空洞を有する,大血管への浸潤や隣接,その他喀血・コントロール不能な高血圧,重篤な大血管病変や消化管における活動性出血の既往)のないNSCLCではプラチナ製剤併用化学療法に追加することを検討する.インフュージョンリアクションを防ぐため初回は90分かけて投与し,2回目以降は60分で,3回目以降は30分で投与.本剤の投与終了後に手術を行う場合は、十分な期間をおく必要あり.半減期は3週間程度.

EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)
イレッサ(gefitinib)

腺癌,女性,非喫煙者,東洋人で有効.EGFR遺伝子変異陽性例(T790Mなど耐性遺伝子を除く)で適応があり奏功率が高い.重篤な肺障害が5%で出現するため,投与後1ヶ月は入院またはそれに準じて加療する.発疹,下痢,皮膚乾燥,肝障害など.クラリス,シプロキサン,PPI,H2ブロッカーは併用注意.
タルセバ(erlotinib:ERL)
イレッサよりも高容量.クラリス,シプロキサン,PPI,H2ブロッカーは血中濃度変動あり併用注意.
ジオトリフ(Afatinib)
発疹,下痢,口内炎・粘膜炎,爪周囲炎,鼻出血,掻痒感などで他のEGFR-TKIに比べ有害事象が出やすい.Grade4の間質性肺障害は1/242(Lancet Oncol. 2014;15:213-22.)

EML4-ALK阻害薬
EML4とALK(未分化リンパ腫キナーゼ)の癌性融合遺伝子陽性は,若年発症の肺腺癌,非喫煙者,粘液産生を伴い腺房状構造を示す低分化腺癌,BACパターンが見られない,EGFRおよびKRAS変異陽性例にはみられないのが特徴.
ザーコリ(crizotinib)
1日2回の経口投与.悪心,視覚障害,間質性肺炎,下痢,便秘,浮腫に注意.
アレセンサ(alectinib)
1日2回の経口投与.肝障害,腎障害,味覚障害,間質性肺炎,発疹,便秘,白血球減少に注意.


[PR]
by respiresi | 2015-04-30 21:43 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

化学放射線療法

c0367011_21351160.jpg
化学療法と放射線療法の併用は 効果は 同時>逐次 .白血球減少は 同時>逐次. 
放射線療法は60Gyを目標に.
化学放射線療法中の白血球減少は,発熱がなければ放射線療法を継続してもよい.GCSFと縦隔領域の放射線療法を併用すると,重篤な血小板減少や肺毒性が出るため併用しない.GCSFを使うなら放射線を一旦中止する.
UFT,VNR,TS-1は放射線治療との併用に向くとされている.
ガイドラインに記載はないが,化学放射線療法終了後2コース行うのが一般的.



[PR]
by respiresi | 2015-04-30 21:35 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

放射線治療

c0367011_18484772.jpg

定位放射線治療(SRT:stereotactic radiotherapy),定位手術的照射(SRS:stereotactic radiosurgery),ガンマナイフ

1回照射をSRS,分割照射はSRT.

全脳照射(WBRT:whole brain radiation therapy)
予防的全脳照射(PCI:prophylactic cranial irradiation)


緩和的照射
腫瘍による気管狭窄,上大静脈症候群,脊椎骨転移に伴う症状,無気肺型肺癌,骨転移痛への緩和など.

放射線療法の禁忌
明らかな間質性肺炎では胸部照射禁忌(死亡リスク165倍).


放射線療法の有害事象
1. 放射線肺臓炎
照射から6ヶ月以内に発症し,急な発熱・乾性咳嗽・呼吸困難を呈する.40 Gy以上ではほぼ必発する.胸部XPで照射野に一致したすりガラス影を呈する.WBC,CRP,KL-6,SP-D,拡散能検査を確認する.感染症,癌性リンパ管症,間質性肺炎などの鑑別が必要.

軽症

経過観察

中等症

PSL 1 mg/kg/day2週間継続し312週かけて漸減

重症

mPSL 1000 mg3日間後, PSL 1 mg/kg/day2週間継続し312週かけて漸減

c0367011_18344475.jpg
  
2. 放射線宿酔
照射直後から全身倦怠感,悪心・嘔吐,食欲不振など. プリンペラン,ナウゼリン,ステロイドを使う.

3. 放射線粘膜炎
口腔・消化管などの粘膜が障害される.照射2週間以降の嗄声,嚥下痛,嚥下障害.アルロイドやアルサルミンを使う.

4. 骨髄抑制
WBC 2000 /μL以下で中止を検討.骨髄抑制にはアンサーを照射開始日以降から照射終了日まで週2回皮下注を使っても良い.

5. 放射線皮膚炎
照射開始後2週間以降に出現する.

6. 全脳照射後の有害事象
脳萎縮,記憶力低下,認知症など.
他に6カ月以降に出現する晩期障害として,皮膚潰瘍,肺線維症,白内障,脊髄症,二次発癌など.



[PR]
by respiresi | 2015-04-30 18:48 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

肺の悪性リンパ腫

c0367011_21591200.jpg

MALTリンパ腫(MALToma)

MALTリンパ腫のうち,気道・肺にあるものをBALTリンパ腫とも呼ぶ.症状が乏しく発育は緩徐.CTで気管支周囲の浸潤・結節の他、すりガラス影など様々.縦隔リンパ節腫大や胸水は稀.

肺原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL:diffuse large cell lymphoma)
咳,全身倦怠感,体重減少など.CTで浸潤影や結節影,時に空洞影.

IVL:Intravascular lymphoma
DLBCLの亜型.発熱,全身倦怠感,体重減少など.LDH,sIL-2R高値.CTでは所見なし・網状影・すりガラス影など.PET-CTで肺全体に集積.急速に進行し予後不良.生検は骨髄,ランダム皮膚生検,肺生検など.治療はリツキシマブ併用化学療法.

膿胸関連リンパ腫
かつて行われた結核治療の人工気胸後20~40年で発症するDLBCL.


[PR]
by respiresi | 2015-04-29 21:54 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

特殊な肺癌の治療方針

c0367011_22420829.jpg

大細胞神経内分泌癌(LCNEC:Large cell neuroendocrine carcinoma)

大細胞癌の亜型とされているが,他の非小細胞癌よりも予後が悪く,小細胞癌と鑑別が難しい.標準治療は定められていない.非小細胞肺癌として扱われているが,術後補助化学療法は必要であり,しかも非小細胞肺癌の化学療法よりはSCLCの化学療法のほうが効果的である可能性が高いと考えられている.


[PR]
by respiresi | 2015-04-29 21:52 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

肺癌の治療方針

c0367011_18574756.jpg

非小細胞肺癌(NSCLCnon small cell carcinoma

小細胞肺癌(SCLCsmall cell carcinoma

腺癌 (Adenocarcinoma)

扁平上皮癌 (Squamous cell carcinoma)

大細胞癌(Large cell carcinoma

57

末梢側

26

喫煙関連

中枢側

3

他の3つに当てはまらない癌が分類される

9

喫煙関連


Performance Status (PS)

0

無症状で社会活動ができ,制限を受けることなく,発病前と同等にふるまえる.

1

軽度の症状があり,肉体労働は制限を受けるが,歩行,軽労働や座業はできる

2

歩行や身の回りのことはできるが,時に少し介助がいることもある.軽労働はできないが,日中の50%以上は起居している

3

身の回りのある程度のことはできるが,しばしば介助がいり,日中の50%以上は就床している.

4

身の回りのこともできず,常に介助がいり,終日就床している


分子診断:EGFR・ALK遺伝子検査
当院ではEGFRは組織または気管支洗浄液など凍結保存検体より検査を行っている.ALKはFFPE(ホルマリン固定パラフィン包埋)標本はIHC法によるスクリーニング,FISH法による確認で,胸?や洗浄液などの細胞診検体はRT-PCR,またはセルブロックでIHC・FISHとしている.

FISHとIHCの検査結果が不一致の場合

(著作権の関係で図表は 日本肺癌学会. 肺癌患者におけるALK遺伝子検査の手引き. http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/366.pdf を参照)


非小細胞肺癌(NSCLC:non small cell carcinoma)の治療方針

c0367011_21145239.jpg

Stage

手術±術後補助化学療法

Stage

手術+術後補助化学療法

StageA

手術+術後補助化学療法

術前・術後化学療法+手術,
化学療法+放射線療法

化学療法 など

StageB

化学療法+放射線療法

化学療法 など

Stage

化学療法


SCLCの治療方針

c0367011_21462022.jpg

LD(Ⅰ期):手術+術後補助化学療法
LD(Ⅰ期以外):化学放射線療法
ED:化学療法


詳細は「日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン http://www.haigan.gr.jp/ を参照


[PR]
by respiresi | 2015-04-29 20:07 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)