ピクトグラムでわかる呼吸器内科

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外科治療

所属リンパ節
肺癌取扱い規約に則りリンパ節を郭清する.

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術前リスク評価
・術後呼吸機能予測
術前FEV1.0 × (19-切除区域)/19 × 1/BSA (m2)
統一した見解はないが,術後予測残存一秒量800 ml,600 ml/m2以上で手術可能と考えられる.
・1秒量<1000 ml,%VC 50%未満ではハイリスク.
・間質性肺炎は肺癌手術で10~30%程度,外科的肺生検では2.6%の急性増悪をきたす報告があり,増悪による死亡率は40~50%.周術期にステロイド,シベレスタット,ウリナスタチン,マクロライドの予防投与が試みられているがエビデンスがない.
・日本の報告では急性増悪9.3%,死亡率43.9%(Sato T, et al. Impact and predictors of acute exacerbation of interstitial lung diseases after pulmonary resection for lung cancer. J Thorac Cardiovasc Surg; 147: 1604-1611, 2014.)
・上記の結果を基にした急性増悪のリスクスコアの論文がある.


Risk Score

5点:History of AE:yes

4点:surgical procedure: others(Wedge resection以外)

4点:CT findings: UIP pattern

3点:Preoperative steroid use: yes

3点:Gender: male

2点:KL-6:>1,000 U/mL

1点:%VC:≦ 80

010点:low risk 10%未満

1114点:intermediate risk 1025

1522%:high risk 25%以上



他科術前紹介
・ 喫煙者は呼吸器合併症のリスクが高く,2カ月以上前に禁煙することが望ましい.
・ 気管支喘息の無治療患者は症状が稀でも吸入ステロイドを開始した方が良い.症状コントロールが悪い場合はPSL 0.5 mg/kg 3~7日間を使ってよい.術前6カ月以内に全身ステロイドを使った患者は,術前にソルコーテフ100~300 mgまたはmPSL 40~80 mgを,術中にソルコーテフ100 mgまたはmPSL 40 mg を8時間ごとに投与.

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・術後肺炎リスク


術式

 腹部大動脈瘤

 胸部

 上腹部

 頚部

 脳外科

 末梢血管

15

14

10

8

8

3

半年で10%以上の体重減少

COPD

全身麻酔

意識障害

脳血管障害の既往

輸血

緊急手術

ステロイド

1年以内の喫煙

飲酒歴

7

5

4

4

4

3

3

3

3

2

年齢

 80

 7079

 6069

 5059

17

13

9

4

スコア

~15

1625

2640

4155

56

0.24

1.2%

4.0%

9.4%

15.3%

身体機能

 全介助

 一部介助

10

6

BUN

 ~8

 2230

 30

4

2

3


(Ann Surg 2000; 232: 242-53より引用)


術式

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http://www.cts.usc.edu/lpg-commonreasonsforlungsurgery.html より引用)


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by respiresi | 2015-06-29 22:26 | 悪性腫瘍・検診 | Comments(0)

呼吸機能検査

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障害パターンやフローボリュームループのパターンから疾患の鑑別を行う.息止め困難や肺活量1.2~1.5L未満では拡散能は測定困難.

※ 肺が正常な拘束性障害を診たら,神経筋疾患を疑う
※ 原因不明の咳など結核が否定できない時や,入院中など再現性が乏しいと考えられる時の呼吸機能検査はお勧めしない.検査技師が結核曝露されたり,通常より悪い結果が出たりする.


FVC:最大量の吸入を行った後の強制呼気量
FEV1:FVC測定時の初めの1秒の呼気量
1秒率(FEV1%)=1秒量(FEV1)÷努力肺活量(FVC)×100
%1秒量(% FEV1)=FEV1実測値÷FEV1予測値×100
<著作権の関係で図を載せられません>

拘束性換気障害 
%VC(肺活量の予測値に対する割合)が80%未満.
肺線維症,無気肺,神経筋疾患など.
閉塞性換気障害 
1秒率(FEV1.0% (G))が70%未満.
気管支喘息,COPD,異物など.
拡散障害
肺拡散能(DLCO%),DLCO/VAが75%未満.
VA:肺胞換気量
DLCO/VAは肺気腫は著明に低下,間質性肺炎は軽度低下.

COPDなど閉塞性疾患ではair trappingのためVC>FVCがみられる.健常者ではAir trapping index [(VC-FVC)/VC]?100 が5%以下.

フローボリュームループ
<著作権の関係で図を載せられません>

ループが下に凸や,V(・)50, V25の低下(特にV50/V25>4)は末梢気道閉塞を示唆する.
上気道狭窄ではピークが消失する.

【参考文献】
1. 日本呼吸器学会肺生理専門委員会. 呼吸機能検査ガイドライン-スパイロメトリー、フローボリューム曲線、肺拡散能力-. 東京: メディカルレビュー社; 2004


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by respiresi | 2015-06-13 23:06 | 検査 | Comments(0)

肺炎球菌ワクチン

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ニューモバックスは肺炎球菌の莢膜を用いた不活化ワクチン.肺炎球菌性肺炎を63%減らすというデータがある.


対象者は,
1.65歳以上の高齢者で
   肺炎球菌ワクチン接種を受けたかどうかはっきりしない人
2.2~64歳で下記の慢性疾患やリスクを有する人
   慢性心不全.慢性呼吸器疾患,糖尿病
   アルコール中毒,慢性肝疾患,髄液漏
3.脾摘を受けた人,脾機能不全の人
4.老人施設や長期療養施設などの入居者
5.易感染性患者

・ 脾摘患者であれば保険適応で接種できる.それ以外は自由診療だが,年齢によって公費補助が受けられる場合がある.5の倍数の年齢だけ公費負担で非常にややこしい

・ 効果は5年程度であり,再接種は5年間あけて行う.
・ 生ワクチンの接種を受けた者は27日以上,また他の不活化ワクチンの接種を受けた者は6日以上,間隔をおいて本剤を接種する.
・ 肺炎治癒後の摂取は状態が落ち着けば可能だが,退院8週後に接種する報告がある(Intern. Med. 154: 1961-65, 1994.)

副作用はインフルエンザワクチンとほぼ同じで,注射部位の掻痒感,発赤,腫脹,軽い発熱,筋肉痛など.アナフィラキシーは稀.
プレベナーも成人適応になったが,公費制度ではない.

【参考文献】
1. 日本感染症学会. 肺炎球菌ワクチン再接種に関するガイドライン2009. http://www.kansensho.or.jp/topics/pdf/pneumococcus_vaccine.pdf
2. 松本 慶蔵. 肺炎球菌ワクチンの新しい展開 改訂第3版. 医薬ジャーナル社; 2012.


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by respiresi | 2015-06-13 22:52 | 呼吸器内科の薬 | Comments(0)