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COPD:Chronic Obstructive Pulmonary Disease

ガイドライン
国内のガイドラインは段階的に薬剤を追加していく記載.海外のGOLD(The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)ガイドラインは症状や肺機能によるカテゴリー別の治療薬の選択が記載されている.

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診断
喫煙歴,慢性咳嗽,痰,呼吸苦があればCOPDを疑い,気管支拡張薬吸入後のスパイロメトリーでFEV1.0%が70%未満であればCOPDと診断する.気管支喘息は吸入ステロイドが著効するので鑑別が重要だが,COPDでも気道可逆性試験陽性はあり得るので,総合的に判断する.喘息とCOPDのoverlap(ACOS:Asthma COPD Overlap Syndrome)も多い.

違和感のあるCOPDを見たら,稀な疾患かもしれない
若年COPD,家族性気胸 ⇒ Langerhans細胞組織球症
若年女性,非喫煙者 ⇒ リンパ脈管筋腫症, α1アンチトリプシン欠損症

【まずコレ】

採血(一般,生化学),胸部XP,胸部XPで肺に異常影がないのを確認してから呼吸機能検査,吸入薬を初回処方時に吸入指導,禁煙指導

【さらに精査するとき】

禁煙治療,動脈血ガス,気管支喘息の検査(喀痰好酸球,呼気NO,気道可逆性検査,IgEIgE RAST),CTPIF(インチェック),ECG,心エコー,BNP,パルスオキシメトリー


気腫があればCOPDではなく,気腫があっても肺機能が良好でCOPDではない,気腫がなくてもCOPDということは多々ある.

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重症度
COPDかどうかはFEV1.0%(最初の1秒に何%吐けたか)で判別し,重症度は%FEV1.0(健康な人に比べてどれくらいか)で判別する.
※ 当院の肺機能検査の読み方は以下の通り

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Ⅰ期

FEV180

Ⅱ期

50%≦%FEV180

Ⅲ期

30%≦%FEV150

Ⅳ期

FEV130


一秒量700 ml前後がHugh JonesⅣ度とほぼ同等

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CAT(COPD Assessment Test)
10点以上はハイリスク.
GlaxoSmithKlineのホームページを参照http://www.catestonline.org/english/index_Japan.htm


COPD安定期の治療
COPDに有効な薬は限られており,禁煙やHOT,NPPVのコンプライアンスをいかに遵守してもらうかという領域.
世界的にはGOLDが用いられ,日本での有用性やCATのカットオフ値などの学会報告はあるが,定まった見解はない.

PDE4阻害薬は本邦未発売.

著作権の関係で、図は「日本呼吸器学会. COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4版. メディカルレビュー社; 2013: 64」を参照

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GOLD2015 より引用http://www.goldcopd.org/uploads/users/images/download_this_document.gif

GOLD Bは呼吸機能が良い割に症状が強いので,心疾患などの合併を疑う.

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インフルエンザワクチン
ニューモバックス(肺炎球菌ワクチン)

長時間作用性吸入β2刺激薬(Long Acting β2 Agonist:LABA)
気管支拡張.自覚症状の改善.

長時間作用性抗コリン薬(Long Acting Muscarinic Antagonist:LAMA)
気管支拡張.自覚症状の改善.

吸入ステロイド薬(inhaled corticosteroid:ICS)
急性増悪の予防
(気管支拡張効果は示されていない)

短時間作用性吸入β2刺激薬(Short Acting β2 Agonist:SABA)
増悪時の気管支拡張.

短時間作用性抗コリン薬(Short Acting Muscarinic Antagonist:SAMA)
増悪時の気管支拡張(エビデンスはSABA >> SAMA)

※ 内服よりも有害事象が少ない

LAMAとLABAは気管支拡張の上乗せ効果が示されている

メチルキサンチン
テオドール,テオロング,ユニフィル,ネオフィリン
[薬理] 気管支平滑筋弛緩,抗炎症作用
[副作用] 至適血中濃度は 5~15 μg/ml.
過量で頭痛,痙攣,動悸,嘔気,下痢が出る.

喀痰調整薬
ムコダイン,ムコソルバンL

鎮咳薬
推奨されない

リハビリ
運動療法(下肢・持久力),呼吸筋訓練,栄養指導,口すぼめ呼吸,体位ドレナージ

COPD急性増悪の治療

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1)NPPVや挿管の適応があるか
  ⇒ 他項を参照 
2)感染の合併
起因菌は肺炎球菌,モラキセラ,レジオネラが多い.
3)気管支拡張剤
まずSABA吸入.SAMA,アミノフィリン点滴も考慮.
4)右心不全の合併は?
BNP 500 pg/ml 以上で心不全を強く疑う.100 pg/ml以下で心不全は否定的.右心不全徴候(頚静脈怒張や四肢浮腫)や心エコーで評価.右心不全合併には利尿薬.
5)ステロイドの併用
経口PSL 30~40 mg/dayを10~14日間.重症例では静注やPSLミニパルス.

【参考文献】
1. 日本呼吸器学会. COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第4版. メディカルレビュー社; 2013.
2. The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD). http://www.goldcopd.org/


by respiresi | 2015-04-18 00:36 | COPD・気管支喘息