アレルギーの治療薬
第1世代抗ヒスタミン薬
商品名 | ポララミン,アタラックスP |
対象 | (副作用が強くあまり使わない) |
副作用 | 抗コリン作用,肝障害,眠気が出やすく運転しないよう説明する. |
第2世代抗ヒスタミン薬
商品名 | ザイザル,アレジオン,アレグラ,クラリチン |
対象 | 軽症の気管支喘息安定期.特にアレルギー性鼻炎やアトピーを伴う場合.くしゃみ・鼻漏型通年性アレルギー性鼻炎,花粉症. 効くまで2週間. |
副作用 | 肝障害,眠気があり運転しないよう説明する.アレグラとクラリチンは添付文書に運転注意の記載がない. |
メディエーター遊離抑制薬
商品名 | インタール |
対象 | 軽症の気管支喘息安定期.くしゃみ・鼻漏型通年性アレルギー性鼻炎,軽症の花粉症.効くまで1~2週間. |
副作用 | 胃腸障害や肝障害だが副作用は少ない |
プロスタグランジンD2・トロンボキサンA2阻害薬
商品名 | バイナス 2015年3月現在,当院採用薬ではない |
対象 | 軽症の気管支喘息安定期,鼻閉型通年性アレルギー性鼻炎.鼻閉型花粉症.効くまで1~2週.鼻閉へは 第2世代抗ヒスタミン薬よりも優れる. |
副作用 | 出血傾向,肝炎,腹痛 |
Th2サイトカイン阻害薬
商品名 | アイピーディ |
対象 | 中等症の気管支喘息安定期.鼻閉型通年性アレルギー性鼻炎,軽症の花粉症. |
副作用 | 消化器症状,肝障害 |
ロイコトリエン拮抗薬
商品名 | オノン,キプレス,シングレア |
対象 | 気管支拡張作用と気道炎症抑制作用 全ての気管支喘息安定期.特にアレルギー性鼻炎合併,運動誘発喘息やアスピリン喘息に有効. 鼻閉型通年性アレルギー性鼻炎,鼻閉型花粉症. 効くまで1週間. |
副作用 | 肝障害 |
抗IgE抗体
[商品名] ゾレア
[対象] 通年性アレルゲンに感作されていて血清 IgE 30 IU/ml~1500 IU/ml.高容量のICSとLABAを併用してもコントロールが不十分な場合
[副作用] 注射局所の疼痛,腫脹,アナフィラキシー
[用法] (ゾレア添付文書. 2013年8月改訂. ノバルティスファーマ を参照)
変調療法
機序も不明だが効くとされる.鼻アレルギー診療ガイドラインや,職業アレルギーなどに載っているが,喘息のガイドラインには載っていない.抗アレルギー薬が普及し,現在はごく一部で使われる.
・ヒスタミン加免疫グロブリン(ヒスタグロビン):血液製剤で同意書が必要.
・ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液(ノイロトロピン)
・金製剤(シオゾール)
舌下免疫療法(SLIT:sublingual immunotherapy)
スギ花粉エキスのシダトレンを舌下投与する減感作療法.当院では行っていない.花粉シーズンの2ヶ月前には治療を開始し,2~3年続ける.有効率は70%程度.適応症例は12歳以上で,抗ヒスタミン薬やLTRAなどで症状がコントロールできない場合や長期の薬物療法を希望されない場合など.通院やアナフィラキシーについての十分なI.Cが必要.