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ピクトグラムでわかる呼吸器内科

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気胸pneumothorax・乳び胸

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ガイドライン

ガイドラインはあるが,治療方針は施設によりけりで文献によっても様々.

当院では穿刺による脱気はあまり効果がないのでしていない.

軽度

肺尖が鎖骨レベルまたはそれより頭側(胸壁から23cm以内)

軽度で呼吸困難などが乏しいとき,経過観察

中等度

軽度と高度の中間

胸腔ドレナージ

高度

全虚脱またはこれに近いもの


緊張性気胸:胸部XPで縦隔・横隔膜が健側に偏位していて吸気相にも復位がないか,偏位があって呼吸困難・血圧低下・頻脈などあり.
気胸側の呼吸音減弱,気胸側の胸壁運動低下,健側の胸郭拡大あり.レントゲンを撮る余裕もないほど緊急の時は18Gより太めの留置針を挿入してから胸腔ドレーンを入れる方法もある.


クランプテスト
クランプテストには賛否ある.ドレーンクランプし,半日~1日程度気胸の再発がないことを確認してからドレーンチューブを抜去する.気胸が増悪する可能性があるので,モニタリングや,増悪時にすぐにクランプを解放する準備が必要.
トパーズ電動式低圧吸引器ではリーク量の記録ができる.

難治性気胸の治療
① 自家血パッチ:50 mlの血液を採血し,抗凝固薬を使用せず胸腔ドレーンから胸膜腔に注入.
② VATS:気胸の原因である気腫性病変を切除.

乳び胸
非外傷性の場合,悪性リンパ腫,肝硬変,うっ血性心不全,ネフローゼなどの背景疾患の検索が必要.検査はリンパ管造影.
治療は高カロリー輸液,低脂肪食,胸腔ドレーン,胸腔腹腔シャント挿入,外科的な胸管結紮.


by respiresi | 2015-05-02 10:26 | 胸膜