在宅酸素療法(HOT:home oxygen therapy)
(1) 高度慢性呼吸不全例
病状が安定しており,空気吸入下で安静時のPaO2 55 mmHg 以下,もしくはPaO2 60 mmHg 以下で睡眠時又は運動負荷時に著しい低酸素血症をきたすもの
(2) 肺高血圧症
(3) 慢性心不全
NYHA Ⅲ度以上で,睡眠時のチェーンストークス呼吸がみられ,無呼吸低呼吸指数(1時間当たりの無呼吸数及び低呼吸数)が20以上であることが睡眠ポリグラフィー上確認されている症例
(4) チアノーゼ型先天性心疾患
在宅酸素療法の効果
COPDは肺高血圧の予防や生存期間延長のエビデンスがあるが,間質性肺炎や陳旧性肺結核,肺癌では予後改善のエビデンスがなくQOL改善が目的となる.
酸素処方量
以下の最低量の酸素を処方する
間質性肺炎は労作時に下がり,陳旧性結核は睡眠時に下がるのが特徴
安静時 | PaO₂ 60Torr(SpO₂ 90%)以上を保つように |
労作時 | 6分間歩行試験を行い,SpO₂ 88%以上を保つように (目安は安静時の約2~3倍程度) |
睡眠時 | 夜間SpO₂モニタリングを行い,SpO₂ 90%以下になる時間が30分以下となるように (目安は安静時と同じか,やや多め) |
飛行機では気圧が下がって酸素分圧が下がるので酸素流量を1~2L/min増やすことが推奨.診断書も必要.
在宅酸素療法の費用
1割負担の場合 8,000円/月
3割負担の場合 24,000円/月
by respiresi
| 2015-05-02 11:00
| 症候